金継ぎに失敗する
欠けた器が大量にあるので、金継ぎを試してみました。
欠けた器って、なんだか物悲しいものです。使えないことはないんだけど、欠けたフチについ目がいってしまう。己の生活のぞんざいな感じを突きつけられている気がします。
秋のはじまりごろ、「クロワッサン」の器特集を読み、世には金継ぎをされている方が多いことを知りました。敷居が高いと思っていたものの、素人でも手を出しても良さそうな雰囲気。
さっそく、ネットで調べて、金継ぎの初心者向けキットを入手しました。
▼こちらが使った金継ぎキット(金継ぎラウンジ 簡単金継ぎキット)
説明書を読みながら、20数個の器に金継ぎすること、約2時間。
この「諦めていたものが、手をかけて復活し、自分だけのものになる」感、淡々とした日常の家事の自己満足度を大幅にアップしてくれます。
しかし、数日経ち、悲劇は起こりました。
金継ぎの金がなんと剥げています。
剥げている。。!
ネットで「金継ぎ 剥がれる」などを条件に調べてみるものの、いまいち要領を得ず。
工程を思い出し、問題がありそうな箇所を自己分析すると、以下の二点が思い当たります。
・欠けた器を埋めるパテを乾かす時間が長過ぎた
・金粉、テレピン油、工芸用うるしを混ぜて作る「塗る液」の配合が適当すぎた
液を塗り直す方が気楽なので、再度試してみるものの、やはり数日経つと、剥がれている…
どうやら再度パテを塗り、ヤスリがけをして、液を塗る必要がありそうです。
ちなみに、ほぼ全てやり直しくらいの工程…。
いつかやろうと思いながら、とりあえず、金が剥がれた器を使っております。
とりあえずの暫定的な期間は、すでにひと月経過していますが。。
けど、金じゃないってことは、食洗機もかけられるし、考えようによってはこれは便利?
レンジもいけちゃう?
なんて邪念が頭をよぎることも。
金継ぎのキラッとした金が発する丁寧な暮らしに比べると、
この剥がれた土色が発する中途半端な感じ。
欠けたままの方がむしろ潔い気もするけど、
欠けたところを埋めているだけで、十分丁寧じゃない?
このどっちにも振れない、粘土色のパテが埋められた器こそ、うちの日常の現在地を表しているような気さえしてきました。
とはいえ、キットもあるので諦めたわけではありません。
今年は帰省もしないので、子どもと過ごす冬休みの宿題リストにとりあえず入れて。
年始の箱根駅伝、手を動かして金継ぎしながら観戦するのも悪くないと思っています。