衣食住の実験ノート

衣食住や育児にまつわることを、いろいろ試して、考察しています

7月に読んだ本。久しぶりに悪夢を見た衝撃的な一冊。

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紫陽花は昨日剪定しました。もうちょっと見たかったけど、来年の花付きのためにも、

このタイミングで。紫陽花は、剪定する頃には、グリーンにピンクが差して風情のある色合いに。

 

活字中毒の端っこに属していると思う。「何もしないで過ごす」ということが苦手で、字を読んでいれば落ち着くので、本を買ったり、借りたり、貸し借りし合ったり。。。何冊かの読んでいない本に、毎朝くる新聞。日々「読むもの」のに追われて過ごしてる。でも、この、まだ読んでいないものが控えている状態が心地いい。

 

この前の「買ったもの」に続いて、今回は「読んだもの」。8月になってしまったけど、41歳の、いつもとは違う7月に読んだ本を並べると、「他の人の頭の中を知りたい」と思って、本を選んでいるんだなぁと思わされる。

衝撃だったのは、「女帝・小池百合子」。夜中に読み終えた後、追いかけられる的な典型的な嫌な夢を見てしまった。最近、悪夢なんて滅多に見ていなかったのに。。。

 

 

 

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7月に読んだもの。エッセイ、評論関係が多い。ジェーン・スーは友達が

貸してくれたもので、石黒さんのは、図書館で。

 

●「女帝・小池百合子」石井妙子

 

暴露本なんてものではなく、取材に裏打ちされた渾身の一冊。TBSラジオのACTION(金曜)で著者の石井さんが、小池百合子のことを「ビニールシート」と評していたのを聞いて、「ビニールシートって!それは言い過ぎじゃ。。?」とその時は思った。

話はこうで(記憶に基づくので、少々ディテールは違うかも)、

 

 『風に乗った物体が、キラキラしながら旋回している。下から見上げる人たちは、「あのキラキラした、見たこともない物体はなんだろう、風に乗って、すごく気持ちよさそうに旋回している。最新鋭のジェット機かな」と眩しそうに見上げていたのが、4年前の知事選の状態。風が止んで、その物体が地上に放り出されたのを見ると、それは単なるビニールシートだった。それが現在。』

 

さすがに、ペラっペラっのビニールシートってひどすぎやしないか?と思っていたけど、読んでみると、著者の比喩の意図するところに深く頷いてしまう。生い立ちからを丁寧に洗い出し、膨大なる資料に基づいたこの一冊は、著者の執念が詰まっている。なんと、450P!

 

目を背けたくなるけど、マスコミを含めて日本社会が彼女を作り上げた過程が分かる。自分も含めて、情報が流れて、忘れて。整合性がなくても、チェックする機関もなく、スッキリと忘れ去ってしまう。残ったのは、なんとなくのイメージのみ。

暗い情報に時間が割かれるのって、しんどいから敬遠していたけど。。。きちんと知らなければならないし、子どもたちにも、「これ読んだら、怖い夢みたよ。。。」と伝えていかなければならない。

知り合いにも貸して、読んでもらおう。きちんと知ってもらって、語り合いたい。とりあえず、今は夫が読んでいる。

 

 

●「死ぬ気まんまん」佐野洋子

 

佐野洋子信者なので、著作はほとんど読んできた。延命治療せずに、余命を告げられるや、その足でグリーンのジャガーを購入したエピソードを含めて、佐野洋子の言葉や生き方に、いつもうっとりしてしまう。潔い。潔くない面も披露してくれているのに、それすらも潔い感じがする。わたしも、こんなババアになって、子どもにちょっと煙たがられながら、麻雀したいなぁ。ババアになった時に、自分の余命を考える時に、また読み返すことになるんだろうなぁ。

  

●「紋切り型社会」武田砂鉄

 

雑誌や新聞の記事や書評などで、いつも粘っこい考察される著者の本領が遺憾なく発揮された一冊。Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。さきほどの石井さんのインタビューは、武田砂鉄さんがパーソナリティを務めるラジオ番組で放送されていた。

物事を掘り下げて掘り下げて、その下に発掘された石を磨いて、成分をさらに調べて、構成図を明確に示してくれている、ような本。ここまで対象を掘り下げる執着心。自分の考えの浅薄さや、「紋切り」的になっている思考回路を、容赦なく一刀両断してくれる。

自分に眠っていた言語化できない違和感を、これでもかというくらいに詳細に解剖してくれる。最新刊の「わかりやすさの罪」も読みたいなぁ。これも近所で課題図書として回さなければ。

 

 

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朝、6時。キッチンから庭を見る。

広島は2,3日前にようやく梅雨明けして、久々に朝から日差しが。

 

●「捨てない知恵」石黒智子

石黒さんの数字の羅列された文章が好きだ。長さ、重さなどを正確に計り、購入した年、価格、素材などもきちんと明記されている。そして、そんな彼女が作り上げる世界(家の中)は、石黒智子が自分の頭で考え抜き、測って計って、作り上げ、創意工夫を凝らした唯一無二のものになっている。

このオリジナリティっぷり!に驚いてしまう。真剣に生活と向き合ってこないと、こんなことはできない。自分を振り返ると、どうしても情報を「運用」して、解に結びつけることが多く、運用過程で多少のオリジナリティが入るかな、という程度。

提供してくれている知恵の数々は、簡単には真似できない。

 

●「これでいいのだ」ジェーン・スー

 

平日は、「ジェーン・スーの相談は踊る」(TBSラジオ・12時〜)をどこかのタイミングでradikoで聴いている。人は様々な問題に直面しているのだなと、悩みを知るのもだけでも興味深い。その上に、スーさんが、問いに対する答えを、寄り添いながら、巧みで豊富な言葉で答えを導き、提供してくれる。。。カタルシス。エッセイも、読むと気持ちいいです。少し年上なので、5年後の自分を想像しながら読んでいます。

 

 

●「一人称単数」村上春樹

 

短編小説集。村上春樹の小説が出たら、条件反射で買うことにしている。けど、聞いたことのあるようなエピソードが今回は多いような気がする。。。

醜い女の話、話としてはおもしろいんだけど、ジェンダーのことを考えると、なんだかうまく味わえなかった。うむむ。村上春樹の小説には、醜い男の話も多いけど、顔の美醜をテーマにしているものに対しては、根深いところでざわざわしてしまう。

いや途中なので、もう少し読み進めたいです。

 

ビートルズをテーマにした話があった。最近、NHKラジオの「ディスカバービートルズ」を聴いたり、息子が英語の授業で習ってきた「ハローグッバイ」を鼻歌しながら「ビートルズってなかなかいいね」なんて言ったりして、にわかにビートルズづいているなぁ。ビートルズという名前で活動して50周年だからか。

 

まとまりのない感じでしたが、何かご参考になるものがあれば嬉しい次第です。