「夫の週末家事に求めているもの」を考えてみて、わかったこと
夫には、週末にいくつかの家事を担当していただいている。どうしても「いただいている」という感じは拭えない。
妻が夫に求める家事は、「もっとこうしてほしい」となりがちで、以前のわたしもそうだった。なのに、希望を伝えて機嫌が悪くなられるのも嫌。世間的にも、「基本的にはお任せしたら、あとは口を出さない」というスタンスが広く推奨されているため、「もっと○○してほしい」は心の中で留めていた。
ところが、あることがきっかけで、自分が「夫に何を求めているか」がクリアになり、それからは、適度に口出しできるようになった。夫の家事に不満を持っている方に、私の経験が参考になれば幸いです。
夫の家事、「洗濯物を干す」ところが不満でした。
夫の週末家事には「洗濯物を干す&取り込む」担当も含まれている。10年程度のキャリアを積んでいるのにも関わらず、残念ながら、ほとんど進歩していない。中1の息子よりは、シャツなどをパンパンして丁寧に干してくれるかな、というレベルで10年間止まっている。それでも構わないのだが、一つ大きな問題を抱えていた。
うちの洗濯竿には、一定の間隔でハンガーを固定して干すための装置(フック)がついている。
しかし、夫は、フックの存在を平気で無視して、ハンガーを竿に吊るしてしまう。すると、風がある日には、洗濯物のハンガー類は風で片寄ってしまう。洗濯物が片寄ると、乾かすために風を通す空間が一切生まれない。べちゃっとくっついたシャツと下着は、たとえTシャツ一枚でもなかなか乾かないのだ。
なぜ、夫は、洗濯ものをハンガーフックにかけられないのか
夫は、竿のフックを、ハンガーをかける場所だと気付いていない、わけではない。わたしが洗濯物を干す時は、ハンガーをフックにかけているし、その洗濯物を夫が取り込むこともある。なので、「フック=ハンガーをかけるために存在している」という事実をきちんと認識している。
夫は決して雑にやっているわけでないし、世間一般の教養については人並み程度にはあるように見える。では、なぜそこにハンガーを吊さないかというと、「洗濯物について、あまり深く考えていないから」というシンプルな一言に尽きる。脳味噌を使って、「洗濯ものはどうすれば早く乾くのか。そして、乾かなかった時の部屋干しの洗濯物は微妙な匂いがする」まで思いを馳せていないのだ。
ただ、目の前の振り分けられた家事をこなしているだけで、工夫をしていない状態である、といえる。
できたら、「やらされている」のではなく、主体的に取り組んでほしい。
でも、わたしが夫にそれを指摘するのは嫌だ。自力でどうにか、気付いてほしい。
わたしは待った。
乾いていない洗濯物にイラッとしながら、
10年、待った。
子育ても見守ることが大事だし。。。
昨今の共働き家事シェア家庭では、「主体的に家事をする夫」も当たり前なのかもしれないが、うちは残念ながら結婚13年目で、わたしが専業主婦ということもあり、「家事シェア」という概念もなく結婚生活が始まり、今まで、ほとんど「なあなあ」で過ぎてきた。
今更、話し合って、強引に主体的な方向へ向かせるのは、いろいろ面倒。それもあって、見守り続けてしまったともいえる。
ちょっとくらいの工夫はしてほしいけど、基本「洗濯物を乾いた状態にする」、ができていれば、「主体的に家事をする夫」でなくてもいいんじゃない?
そうそう、ただ、洗濯物が乾けばいいんじゃない?
よく考えたら、食器洗いもそうだ。主体的に食洗機がやってくれるわけではなく、スタート押したら「自動的に」やってくれて、それで十分だ。わたしにとって大事なのは、「食器が洗ってある」ということ。
だから、洗濯物も、下手したら乾太くん(ガスの衣類乾燥機)さえあればいいんじゃないの?
(賃貸のわが家では取り付けられないけど)
と整理すると、それでいい。
生活を一緒に楽しむところは他にあるし、家事については、成果物があればいい。
そう気付いたら、わたしは夫に、竿のフックにハンガーをかけてある写真を見せて
「乾かないから、こんな感じで、ここ(フック)にハンガーかけて干してね。」
今までの「主体的に家事に取り組む夫」という憑き物が落ち、とても気楽にお願いすることができた。
「じゃあ、この10年、ずっとそう感じていたのか?」夫はそう思ったかのか、思わなかったのかは謎のままだけど、「はい、はい」と特に問題もなさそうに応じてくれた。
それ以来、夫はフックにハンガーをかけてくれている。
とはいえ、定年後もこのスタンスが続くと、それはそれで支障をきたすかも、とも思う。その時は、夫と「家事シェア」について、じっくり向き合うわなければいけないのかも。。
今は、問題を先送りしただけなのかもしれないけど、自分の中の憑き物を払うと、わたしが楽になった。とりあえずはこのままで、乾いた洗濯物にシンプルに感謝することにしてみる。